ホームステイ先の食事や学校の学食、ファストフードなど留学先で待っているのは、どんな食事だろうか。留学中に食事が合わなくて大変だったという声を聞くことは多い。あまり料理がしたことがない人に場合は、スーパーで何を買ったらいいのか困ってしまうだろう。
私はアイルランド留学中、ほぼ自炊をして過ごしたが、ダブリンでは安くて美味しい食材にたくさん出会えた。自分が美味しいと思うものを食べることは精神的にもとても元気にしてくれるので、これから留学する方に参考にしてもらえたらと思う。
アイリッシュベーコンにソーセージ、乳製品はどれも驚きの美味しさ。
イギリスで有名なスーパーマーケット「TESCO」は、アイルランドでは国産で肉や乳製品を製造している。ベーコンは日本のものに比べると見た目は生な状態で売られていて、スモークとノンスモークとがある。どちらも塩気がしっかりついていて料理の際、塩を使わなくてもいいほど。日本のスーパーではあまり見ないスモークがおすすめだ。
またソーセージも日本のものと違い、白い皮の柔らかいソーセージが売っている。これはアイルランド人の朝食には欠かせない一品である。どちらも1週間くらいは十分冷蔵庫で持ち、1パック200g以上で2ユーロ以下で買える。
驚いたのは、牛乳はとても味が濃くチーズやヨーグルトもはずれがない。これで、塩味の利いたスモークベーコンに濃厚な牛乳で極上のカルボナーラスパゲティができる。
フェタチーズは200g/1.40ユーロ位で売っているのでぜひ試して欲しい。サラダにほぐしてのせてもいいし、カルボナーラに混ぜても深みが増し一層美味しくなる。
またダブリンではスペイン人やイタリア人が多いせいかパスタ類も種類が豊富で、値段もとても安い。TESCO自社ブランドの一番値段の安いもので500g/1ユーロ程だが、これが弾力があってとても美味しい。スパゲッティやペンネ、ラザニアのパスタも一箱0.6ユーロ程で買えるし、ホワイトソースやトマトソースなども一瓶2ユーロ以下で買えてしまうのでぜひ挑戦してもらいたい。
アイリッシュ必需品、簡単オーブンを活用しよう。
アイルランドの家には必ずキッチンに大きなオーブンがある。シチューを一日オーブンでコトコト煮る習慣があるほど。シェアメイトとの食事会などにオーブンでできる簡単ラザニアはいいパフォーマンスになること間違いない。
牛ひき肉やきのこ、お好みの野菜をを炒めたところにトマトソースを入れ、コンソメや塩コショウで味を調える。ラザニアパスタはあらかじめ茹でなくてもよいタイプが売っているので便利だ。あとは器にホワイトソース、ミートソース、ラザニアパスタの順で3回ほど繰り返し重ね、一番上の段にミックスチーズやモッツアレラチーズをのせてオーブンで焼けば出来上がり。
また、アイルランドのジャガイモはしっとりしていてとてもクリーミー。よく洗って小さく切り、先にすこし電子レンジで温めてから皮付きのままオーブンで焼き、塩やバターを添えるだけで十分美味しく食べられる。オーブンをプレヒートしておき、温度が上がったらジャガイモと一緒に焼きたいものを入れるだけ。あとは様子を見ながら焼いていけばいい。
ある日友達のお宅のオーブンが壊れてしまったので、大家さんに連絡すると「オーブンが壊れたんじゃ食事が作れないだろうからすぐ修理屋を呼んであげるよ」ということで、その日のうちに修理屋さんが来てくれたそうだ。修理屋が当日にくるなんてアイルランドではとても珍しいことらしい。そのくらいアイルランド人にとってオーブンは毎日の生活に必要なものということなのだろう。
「2ユーロ分の牛肉ください」ブッチャー(肉屋)で節約買い物。
アイリッシュチキンにビーフ、ラム肉などスーパーでパック売りしてあるお肉は、一人で消化するには多すぎる。また私の住んでいたところは冷蔵庫が小さく、冷凍機能が弱かったので保存ができなかった。だから肉類が食べたくなったらブッチャーへ行っていつも2ユーロ分のお肉を買った。食事2、3回分くらいで消費することができるし、その日のおすすめやお買い得品を自分の予算分買えるから便利なのだ。
ラム肉も日本ではあまりなじみがないが、臭みがほとんどなく、柔らかくてジューシーでとても美味しい。野菜をたくさん入れて煮込めばアイルランドで有名な料理アイリッシュシチューになる。1ユーロ分の肉を使ってお鍋に2~3杯くらいのシチューを作れるので経済的だ。
魚は缶詰類が大活躍。
もし魚が食べたくなったら?ダブリンシティでは新鮮な魚を買って料理することは少し難しい。スーパーマーケットでもあまり種類がない。
そこで代用できるのがサバ缶(Mackerel)、イワシ缶、ツナ缶である。中でもおすすめはサバ缶。日本のサバの水煮缶とは違い、オイルでつけてあるのでそのまま食べても水っぽくなく、噛むとサバの風味が広がる。スパイシートマト入り(125g/0.55ユーロ)のような種類もあるので、サバ缶をパスタと塩コショウなどで和えれば即席で満足いく一品ができる。
日本人はなにかとお寿司は作れるかと聞かれることが多い。スモークサーモンなども使えるが、私はそんな時、安くたくさん作りたいと思い、ツナ缶にマヨネーズを合えたものを巻いたりした。ツナ缶は塩水煮(in Brine)とオイル漬けなどが売っている。カニカマも手ごろな2ユーロほどで売られているのでカニカマをほぐしてマヨネーズで和え、きゅうりとアボカドを一緒に巻けば、カリフォルニア巻きの完成である。
ダブリンTESCOの他に、ドイツ系スーパーマーケットのLIDL(リドル)やALDI (アルディ)、スーパーバリューやダンズストアなどの店で食料品を買うことができる。どの会社も自社ブランドの製品があり安くて十分美味しいのでぜひいろいろ試してみてはどうだろうか。日本の味が恋しくなったらアジアンマーケットもいくつかある。アイルランド留学の食生活、工夫して楽しんでもらいたい。
文:ワグナー・マキ(アメリカ在住・JSIA飾り巻き寿司インストラクター)
この執筆者の記事一覧
《これらの記事も読まれています》
■ 留学中のバイト探し/アイルランド・ダブリンでアルバイトを探す
■ 入学した語学学校が倒産!私の留学先選びはなぜ失敗したのか?
■ 留学に日本から持っていって活躍した5つの持ち物たち。
■ 多国籍に溢れたダブリンで英語を学ぶ魅力
■ 女性に人気のアイルランド留学