海外留学や旅行の最中でも、ケガや病気になることはあります。国によって、医療機関のかかり方はさまざま。日頃からその国の医療制度などを確認しておくとよいでしょう。今回は、アイルランドの医療機関のかかり方を紹介します。
アイルランド留学をもっと知ろう!
アイルランドの病院の基本「GP制度」。かかりつけ医をつくろう
医療機関にかかる時は、最初にGP(General Practitioner)と呼ばれる一般開業医にかかることになります。いわゆる「かかりつけ医」のことです。
GPは、病気の時だけでなく、日ごろから病気や健康に関することを相談できる身近な存在です。場合によっては、GPの判断で、専門医や大きな病院を紹介されることもあります。
専門医にかかる場合、急患と歯科以外は、必ずGPの紹介状が必要になります。まずは、自分のかかりつけ医をつくっておきましょう。
予約のとれない国公立病院と高額な私立病院
アイルランドには、診察料が原則無料の国公立病院と、自己負担の私立病院があります。
公立病院では、なかなか診察の予約をとれないのが現状です。予約がとれても、1年以上先ということが当たり前です。深刻な病気の疑いがある場合は、一時的に日本に戻って検査をした方がよいでしょう。
一方、私立病院にかかる場合、医療費が高額になる可能性があるものの、国公立病院よりは早く診察してもらえます。料金は医療機関によって差があります。高額の負担になっても、海外旅行保険や日本の国民健康保険が適用になることもあるため、確認しておきましょう。
アイルランドの医療事情
病院では、医師をはじめ、看護師不足、そしてベッドが足りない、などの問題を抱えています。救急車で運ばれても、ベッドが足りないため、廊下の簡易ベッドで過ごす患者も多くいるほどです。
また、アイルランドのGP制度は便利な制度とはいえ、1回かかるだけで60ユーロの診察料がかかります。国民から「高すぎる」との声もあがっており、今後、改正される可能性もあります。
医者にかかるほど深刻ではない症状なら、市販の薬で処置することもあるはずです。もちろん素人の判断では危険な場合もありますので、その際は、薬局にいる薬剤師にまず相談してみましょう。症状に合わせて、持病やアレルギーがあれば、忘れずに伝えてください。
日本の食生活や生活リズムと違うため、体調を崩しやすくなっているケースもあります。普段から自分の体をいたわりながら、なるべく医療機関にかからずに済むよう気をつけましょう。