中期・長期でヨーロッパに留学をする場合、長い夏休みの過ごし方に頭を悩ませる人も多いもの。
語学学校は通年開校しているところが多いとはいえ、その他各種学校を始め、商店なども8月にはヴァカンスに入り、静まり返る町も内陸側には多く存在します。
日本に一時帰国するのも良いですが、せっかくならイタリアの夏の風物詩とも言える野外オペラを楽しんでみませんか?
この記事では、イタリア3大野外オペラ・フェスティバルと称されるスポットをご紹介します。
アレーナ・ディ・ヴェローナ
イタリアの野外オペラ・フェスティバルで、最も規模が大きく知名度も高いのがアレーナ・ディ・ヴェローナです。
近年の不況を受けて経営状況は厳しく、年々開催期間が短縮傾向にはありますが、それでも夏休みをしっかりカバーできるだけの期間オペラ公演を楽しむことができます。
アレーナ・ディ・ヴェローナでは、多くのキャストが入れ替わりで出演するため、全体での合同稽古が充分に行われないことが難点です。細部までしっかり行き届いた公演を観たい方は、それぞれの演目の初日を狙うことをおすすめします。
マチェラータ・オペラ・フェスティバル
スフェリステーリオと呼ばれる野外オペラ劇場で開催されるオペラ・フェスティバルです。
野外オペラはその音響がネックとなり聴きにくいのが通常ですが、マチェラータの野外劇場は比較的音響効果に優れており、歌う側の歌手たちからも評判のいい劇場です。
若手の歌手を積極的に起用する傾向にあるため、全体的にモチベーションの高い公演が期待できます。
マチェラータはマルケ州の海から近い場所に位置する街なので、昼間にマリン・リゾートを楽しんで夜にオペラ観賞という、ちょっと贅沢な夏休みの楽しみ方もできるのが魅力です。
フェスティバル・プッチーニ
イタリア・オペラの巨匠、プッチーニの故郷ルッカからほど近い、リグーリア海に面した美しい景観の中で開催される野外オペラ・フェスティバルです。ここではプッチーニ作品のみが上演されます。
プッチーニ・ファンならば一度は訪れておきたい聖地のような位置づけのフェスティバルです。
若手歌手の育成プログラムも併設されており、毎年オーディションを通った学生たちがアカデミアで学び、その成果をオペラ上演という形でお披露目します。イタリアでデビューを目指すオペラ歌手ならば、オーディションに挑戦してみましょう。
以上、音楽留学生必見のイタリアの「三大」野外オペラ・フェスティバル情報をお届けしました。ヨーロッパに留学しているからこそ味わえる最高の夏を過ごしてみては?
文:金子倫子(在ドイツ・メッゾソプラノ)
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