- 地球は昔、どんな姿をしていたのだろう?
- 地球が進化するなかで、生物はどのような歴史をたどってきたのだろう?
- 気候変動と地球はどのように関わっているのだろう?
- 地球は環境や海洋に何をもたらすのだろう?
45億年に渡って生き続けている地球。深い魅力を持つ惑星ですよね!
地球の様々な謎について深く知り、その知識を「環境や生命、気象など、人類のために役立てるような仕事をしてみたい」と思っている人は、地球科学という学部に興味を持っているのではないでしょうか?
地球科学部は英語では「Earth Science」や「Geoscience」と呼ばれる専攻分野で、地球のあらゆる構造や性質、生物の進化などを研究する学部です。
地質学、水文学、大気科学、気象学、海洋学、環境科学など幅広く学ぶのが特徴です。
この記事では、海外大学で学べる地球科学について解説していきます。地球科学部を学べる大学についてランキングとともに紹介し、入学に必要な語学力や入学条件、卒業後のキャリアについてもお届けします。
ぜひ学部選び・進学先選びの参考にしてくださいね!
地球科学ってどんな学部?

地球科学とは
地球科学は、地球が過去にどのような姿をしていたのか、将来どのような姿になるのか、宇宙全体の中でどのように位置づけられるのかといった研究をする学問です。
地球の構造、歴史、物理的特性、地球表面と大気、海洋など、地球にまつわる様々な理解を深め、まだ解決されていない地球の謎について解いていきます。
地球科学専攻には、地質学、気象学、海洋学、地球物理学、環境科学など多岐にわたる分野が含まれています。そこから地球の過去、現在、未来を理解していきます。
地震や火山活動、気候変動、資源の探査など、私たちの日常生活にも影響を与える現象を理解するため、地球科学は現代社会でますます重要な分野となっています。
水や化石燃料、鉱物や貴金属に至るまで、地下に隠された貴重な資源とも深く関わりがあります。
地球科学は宇宙を研究する天文学と切っても切れない関係にあります。金星や火星といった他の惑星との比較、太陽や月が地球の状況に与える影響、小惑星や彗星のように地球を破壊する可能性のある宇宙からの危険も考えなければならない課題です。
地球科学を勉強するということは、私たちが安全に快適に暮らせる場所を理解し、火山・地震・台風の発生しやすい地域の都市でリスクを軽減する方法の手助けにつながっていくのです。
地球科学専攻で勉強する科目
地球科学部では、幅広い研究分野を基礎科目として学びつつ、下位科目として自分の興味を深める専門分野を選んでいきます。
ここでは例として、米国ミネソタ大学が公開している下位科目についてご紹介しますので参考にしてくださいね。
生物磁気学 | 磁性細菌とその地球磁場との関係の研究 |
環境地球科学 | 生物圏、岩石圏、水圏、そしてある程度の大気を含む地質環境と人間との相互作用に関する学際的研究 |
探査地球物理学 | 地震学、重力学、磁気学を石油や鉱床の探査に応用 |
流体力学 | 流体や固体の流れに対する物理学と数学の応用 |
地球生物学 | 有機物と無機物の界面におけるプロセスの研究、および生命の起源における微生物の役割を研究 |
地球化学 | 鉱物、鉱石、岩石、土壌、水、大気中の化学元素とその同位体の分布と量の研究 |
地球年代学 | 地球の歴史に関連する時間の研究 |
地球流体学 | 地球や他の惑星における流体の研究 |
地質マッピングと資源評価 | 地表のさまざまな岩石の分布と経済的な意味を決定する |
地質学 | 地球を科学的に研究し、地球を構成する材料、これらの材料に作用するプロセス、形成される産物、そして地球とその生命体の起源からの歴史を研究。他の惑星の研究も含まれる。 |
地球物理学 | 物理法則と原理の地球研究への応用 |
地球統計学 | 地質学的および地球物理学的データの分析への統計の応用 |
水文地質学 | 地表および地下の水の流れと化学の研究 |
湖沼学 | 湖沼の堆積物を研究する学問で、過去の気候や生態学的環境の決定に用いられる |
鉱物物理学 | 鉱物が力にどのように反応するかを研究する学問 |
鉱物学 | 鉱物の形成、発生、性質、組成、結晶構造、分類に関する研究 |
数値モデリング | 地質物質の流れを含む様々な問題へのスーパーコンピュータの応用 |
海洋学 | 海洋の境界や海底地形、海水の物理学と化学、海流の種類、海洋生物学の様々な段階を含む海洋の研究 |
古気候学 | 過去の気候および生態学的環境の研究 |
古地磁気学 | 岩石中の磁気記録の研究、プレートテクトニクスや地球磁場の起源への影響 |
古生物学 | 植物や動物の化石、現存する動植物や環境との関係、地球の歴史の年表に基づいて、過去の地質時代の生命を研究する学問 |
岩石学 | 地球の深部における岩石の形成を研究する学問 |
岩石・鉱物磁気学 | 岩石や鉱物がどのように磁気情報を記録するかを研究 |
堆積学 | 堆積岩とそれらが形成された過程の科学的研究。流域分析、河川研究、表層プロセス、層序学、地質年代学を含む |
地震学 | 地震波の国際関係学で、地球の内部構造、地震の発生源や発生場所を明らかにする |
構造地質学とテクトニクス | 山の形成、地殻プレートの動き、地殻の変形を研究 |
火山学 | 火山の動態を科学的に研究 |
さらにミネソタ大学では、考古学・生物学・化学・コンピューターサイエンス・生態学・工学・地理学・材料科学・数学・微生物学・物理学・土壌科学・水資源学など、他の多くの研究分野とクロスオーバーする部分があることにも言及しています。
地球科学を学ぶ意義とは?

地球科学を学ぶことで、私たちは地球上で起こる自然現象をより深く理解し、環境保護や災害予防に貢献することができます。
例えば、地質学は石油や鉱物資源の探査に、気象学は気候変動に不可欠です。また、持続可能な開発や自然災害のリスク評価といった課題解決にも直結しています。
地球科学を学ぶことで、地球の未来を守るための私たちがどのような行動を取るべきかの指針を示すことにつながります。
地球科学部に留学するには?

必要な語学力
ここでは、おもに英語圏の海外大学で地球科学を学ぶために必要な入学条件についてご紹介していきます。
大学にもよりますが、一般的にIELTSでは6.5~7.0、TOEFL iBT(r)では90~100点前後のスコアが求められます。
現時点で英語力が足りていないという人は、付属の語学学校で進学準備コースを受講してから進学するのが一般的です。日本からの留学生のほとんどは、語学学校からのスタートというのが一般的です。
イギリス・オーストラリア・ニュージーランドなど、大学が三年制の国へ留学する人の場合は、大学に入学する前に1年間の大学準備コース(ファウンデーションコース)を受講するのが一般的です。
ファウンデーションコースでも英語力を伸ばすことができるほか、サイエンス系学部の志望者のための専門カリキュラムを持っているファウンデーションコースも多くあります。専門用語や授業の受け方などもファウンデーションコースでしっかり伝授してもらうことができます。
成績
多くの大学の学部課程では、数学や物理学、化学、生物学などの自然科学分野の授業を高校時代に履修していること、海外大学院を受験する場合は大学で自然科学系の学部を卒業していることが求められます。
トップランクの大学では、これらの科目で高い成績を収めていることが入学条件となっています。特に、地質学や地球物理学を専攻する場合、数学や物理の深い理解が必要です。また、学業成績とともに、課外活動や研究経験も評価されることも多いです。
こんな人が向いている!
地球科学分野ではフィールドワークや実験が多く含まれます。そのため、体力や柔軟な適応能力がある人が向いていると言えます。
専門課程や大学院課程に入ると、さらに国際的なプロジェクトや研究に参加する機会も多くなります。グローバルな視野を持ち、共同でプロジェクトにあたれるような積極性や好奇心もあると良いでしょう。
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地球科学のカリキュラムと授業内容

地球科学の基礎コースと専門分野
地球科学の学部課程では、最初の数年間で基礎科学、特に地質学や気象学、物理学、化学、数学などの基礎科目を学びます。
その後、学生は自分の興味に応じて専門分野を選びます。
専門分野には、地質学、気象学、海洋学、地球物理学、環境科学などがあり、各分野で理論と実践の両面を学びます。
フィールドワークと実験
地球科学にはフィールドワークが欠かせません。多くの大学では、国内外でのフィールドワークや実地調査を通じて、自然環境の中で直接観察し、データを収集するスキルを養います。
例えば、火山地帯や海岸、鉱山などでのフィールドワークでは知識を現場で確認し、実践する貴重な機会になっています。また、大学内の実験施設や研究室での実験も頻繁に行われ、学生は最新の科学技術を使ってデータ分析やモデリングを行います。
地球科学専攻での注目の研究トピック
地球科学の分野では、気候変動や環境保護、資源の持続可能な利用に関する研究が進んでいます。
特に、地球温暖化の影響を理解するための気候モデルや、地下資源の探査、地震予知技術の向上など、世界的に注目されるテーマが多くあります。
地球科学分野の大学ランキング
QS世界大学ランキング2024で発表された「地球科学/海洋学」ランキングをご紹介します。
1 | スイス連邦工科大学チューリッヒ(スイス) |
2 | ハーバード大学(アメリカ) |
3 | ケンブリッジ大学(イギリス) |
4 | オックスフォード大学(イギリス) |
5 | マサチューセッツ工科大学(アメリカ) |
6 | カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ) |
7 | カリフォルニア工科大学(アメリカ) |
8 | スタンフォード大学(アメリカ) |
9 | コロンビア大学(アメリカ) |
10 | ワシントン大学(アメリカ) |
11 | 東京大学(日本) |
12 | オーストラリア国立大学(オーストラリア) |
13 | プリンストン大学(アメリカ) |
14 | コロラド大学ボルダー校(アメリカ) |
15 | ブリティッシュコロンビア大学(カナダ) |
16 | テキサス大学オースティン校(アメリカ) |
17 | ペンシルバニア州立大学(アメリカ) |
17 | ユニバーシティカレッジロンドン(イギリス) |
17 | リーズ大学(イギリス) |
20 | カリフォルニア大学ロサンゼルス校(アメリカ) |
21 | インペリアルカレッジロンドン(イギリス) |
22 | デルフト工科大学(オランダ) |
22 | カリフォルニア大学サンディエゴ校(アメリカ) |
24 | エディンバラ大学(イギリス) |
24 | ブリストル大学(イギリス) |
26 | ソルボンヌ大学(フランス) |
27 | ユトレヒト大学(オランダ) |
28 | コロラド・スクール・オブ・マインズ(アメリカ) |
28 | トロント大学(カナダ) |
30 | ニューサウスウェールズ大学(オーストラリア) |
30 | グルノーブル・アルプ大学(フランス) |
32 | イェール大学(アメリカ) |
33 | テキサスA&M大学(アメリカ) |
33 | アリゾナ大学(アメリカ) |
35 | 北京大学(中国) |
35 | 清華大学(中国) |
37 | カーティン大学(オーストラリア) |
38 | サザンプトン大学(イギリス) |
39 | ヴァーヘニンゲン大学(オランダ) |
40 | エクセター大学(イギリス) |
40 | メリーランド大学カレッジパーク校(アメリカ) |
42 | マギル大学(カナダ) |
42 | ミシガン大学アナーバー校(アメリカ) |
42 | レディング大学(イギリス) |
45 | 西オーストラリア大学(オーストラリア) |
46 | クイーンズランド大学(オーストラリア) |
47 | コペンハーゲン大学(デンマーク) |
48 | ダラム大学(イギリス) |
48 | シドニー大学(オーストラリア) |
50 | メルボルン大学(オーストラリア) |
留学後のキャリアと進路
地球科学を学んだ後の就職先やキャリア像
地球科学を学んだのちのキャリアは、多くの方がイメージしているより幅広いと言えます。
地質学者や環境コンサルタント、気象学者、海洋学者、エネルギー産業の技術者をはじめ、なかでも環境問題・持続可能な開発に関連する分野は近年需要が高まっている分野です。
企業の環境対策部門やNGO、政府機関などで働く機会も増えており、将来性のある分野と言えます。
また、資源探査や石油、ガス産業、再生可能エネルギー産業では、地質学や地球物理学の専門家が必要とされています。大学や研究機関で教員や研究職を選ぶ人も多いです。
大学院へ進学
地球科学の分野では、学士号取得後に修士号や博士号を目指す学生の割合が高いです。
特に、気候変動や災害予防、環境保護といったグローバルな問題に対しては、より高度な研究が求められており、大学院で専門的な知識を深めることが重要です。
博士課程を修了することで、大学や研究機関での教員や研究者としてのキャリアが開かれ、国際的な研究プロジェクトにも参加することが可能です。
研究者としてのキャリアを目指す場合、特定のテーマに関する深い専門知識とともに、フィールドワークやデータ解析のスキルが求められます。国際学会での発表や論文執筆など、学術的なコミュニケーション能力も重要です。
特に、地球科学の分野では国際的な連携が活発なため、海外の大学で学ぶ経験は大きなアドバンテージとなると言えます。
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地球科学は、私たちが住む地球の成り立ちや将来の予測に関わる重要な学問です。
海外の大学で地球科学を学ぶことは、専門的な知識を身につけるだけでなく、グローバルな視野を養い、将来的に国際的な場で活躍するための大きなステップとなります。
大学を選ぶ際はランキングだけでなく、予算やキャリアプランにも合わせて留学先を選ぶことが大切です。
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