London – London College of Communication|Flickr
ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション(London College of Communication 略称:LCC)はロンドン芸術大学のうちの一校です。広告、映像、写真、ジャーナリズムなどコミュニケーション学に関連する分野を牽引する大学として世界的に知られています。(ロンドン芸術大学=、イギリスの6つの芸術大学で構成される大学グループ)
キャンパスはロンドン南部のエレファント・アンド・キャッスルに位置します。学生が参加するプロジェクトを通してキャンパス周辺地域の活性化にも貢献してきました。大手企業や慈善団体と繋がりが深く、在学中に実務を体験できる機会も提供しています。
本記事では、ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションの偏差値、ランキング、学費や入学条件などの留学情報を詳しくお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。
『留学プレス』留学生記者/小島なお(イギリス在住フルタイムワーカー兼ライター) テーマ:イギリス、留学 イギリスを含め海外生活は10年以上。 ファッションを勉強したことがきっかけで、イギリス・ロンドンに強い憧れを抱き渡英[…]
ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションの基本情報
設立年 | 1894年 |
形態 | 国立 |
難易度 | ★★★★⭐︎ |
合格率 | N/A |
学生数 | 4500人 |
留学生数 | N/A |
人気の学部 | グラフィックデザイン ジャーナリズム アニメーション 映画 |
学費例(年間) 費用検索はこちら | 学部課程(広告) 25,970ポンド 大学院課程(映像エフェクト) 25,970ポンド |
場所
LCCのキャンパスはロンドン南部のエレファント・アンド・キャッスルにあります。
この地域は移民が多く住み、特にラテンアメリカ色が感じられる場所です。ロンドンの中心部に近いことから、学生や働く人たちが通いやすい住居地として人気があります。再開発によって新しい住宅施設や商業施設、公園などが作られ今も発展を続けています。
ロンドンのエンターテイメントを存分に楽しめる立地で、レストラン、バー、シアターやナイトクラブ、ギャラリーなども周りにあります。
ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションはロンドン芸術大学の加盟校
LCCはロンドン芸術大学のメンバー校です。ロンドン芸術大学には、LCCのほか以下の大学が加盟しています。
ロンドン芸術大学は世界のアートスクールの中でも一目置かれる存在で、世界的に有名なクリエイターを多数輩出しています。
「コミュニケーション学」に特化
LCCはそのなかで「コミュニケーション」に特化したカリキュラムを開講しています。コミュニケーション学とは一般的に、メディアや情報発信、出版、広告、広報などのキャリアを志望している人や国際交流や異文化コミュニケーション、ダイバーシティなどを学ぶ分野です。
LCCは芸術的側面を踏まえてコミュニケーション学を学ぶことができ、広告、アニメーション、映画、グラフィックデザイン、写真、サウンドアートといったメディア関連の科目で有名です。
なお、コミュニケーション学部について詳しく知りたい方は「コミュニケーション学を学ぶ留学とは?海外大学の学部の内容や世界の大学ランキング、就職や必要な英語力を解説!」で詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
企業との強力なコネクション
LCCに通うメリットのひとつは、ワークプレイスメントを利用して企業で実務経験を積めるチャンスがある事です。
ワークプレイスメントとは有償のインターンシップ制度の事で、実際に報酬をもらいながら就業体験ができます。多くの学生が在学中にデザイン、メディア、スクリーン業界などで、LCCで学んだことを実践しています。
就業体験先の例としては、英国放送協会BBC、民間放送ネットワークITV、プレシャス・メディア、ギネスワールドレコードなどがあります。そこから晴れて正社員になったり、そこで築いた人脈を活用しキャリアアップも目指せます。
ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションが手がける地域復興プロジェクト
LCCはキャンパスがあるエレファント・アンド・キャッスルの地元企業にクリエイティブ面でのサポートをしてきました。
地域再生プロジェクトでは、サポートの一環として学生が写真撮影やグラフィックデザイン、ソーシャルメディアプランなどに携わりました。
参加者は「リサーチからコンサルティング、デザインまで手掛け、コミュニティのために働ける貴重な体験を得られるものだった」と語っています。
このようにしてLCCは創造性を活かしたアプローチで地元ビジネスの促進に貢献しています。
著名な卒業生
ボニー・ライト | イギリスの女優。 映画ハリー・ポッターのジニー・ウィーズリー役で知られる。 |
チャールズ・サーチ | イラク系イギリス人で、広告代理店サーチ&サーチの共同設立者。ロンドンにあるサーチギャラリーの所有者。 |
オミド・ウィリアム・スコービー | イギリスのジャーナリスト、作家。 英国王室をテーマにした作品を発表。 |
ジェーン・フェアバーン・ルート | イギリスのテレビ局BBC Twoのコントローラーを経てアメリカのディスカバリーネットワークスの社長となった人物。 |
マリアム・モシリ | イギリスのテレビ局BBCのテレビキャスター。 |
ジョン・デイヴィッド・ロイド | イギリスのグラフィックデザイナー。 デザインコンサルタント会社、ロイド・ノースオーバー設立。 |
アレックス・レヴァック | イスラエルのフォトジャーナリストでストリートフォトグラファー。 2005年にイスラエル写真賞受賞。 |
エマ・コンスタンス・ヒーリー | イギリスの小説家。 デビュー作「エリザベス・イズ・ミッシング」がコスタ・ブック・アワードの最優秀処女作受賞。 |
ビミニ・ボンブーラッシュ | イギリスのドラッグクイーンで作家、モデル。 |
モリー・ディーン | イギリス人撮影監督でプロデューサー。 イギリスで最も評価されているドキュメンタリー作家のひとり。 |
ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションの学部
学部課程
【スクリーン】
映画・テレビ | 映画実習 映画・スクリーン研究 映画・テレビ |
動画・デジタルアート | アニメーション ゲームアート ゲームデザイン イマーシブメディアと複合現実 |
音響・音楽 | 音響芸術 音楽プロダクション |
【メディア】
コミュニケーション・メディア | 広告宣伝 現代メディア文化論 メディア通信 広報活動 |
ジャーナリズム・出版 | ジャーナリズム 雑誌のジャーナリズムと出版 |
写真 | 写真 フォトジャーナリズムとドキュメンタリー写真 |
【デザイン】
ブランディング・デザインイノベーション | アートディレクション 気候変動対策 デザインマネージメント グラフィックブランディング・アイデンティティ |
グラフィックデザイン・コミュニケーション | グラフィック・メディアデザイン |
インタラクションデザイン・映像通信 | イラストレーション・映像メディア インタラクションデザイン・アート サービスデザイン UX・UIDデザイン |
大学院課程
【スクリーン】
映画・テレビ | ドキュメンタリー映画 映画 脚本 テレビ |
動画・デジタルアート | 3Dコンピューターアニメーション アニメーション ゲームデザイン VR 視覚効果 |
音響・音楽 | 音響芸術 音楽プロダクション |
【メディア】
コミュニケーション・メディア | 広告宣伝 メディア・コミュニケーション・批判的実践 広報活動 |
ジャーナリズム・出版 | 出版 アート・ライフスタイル 音声・動画 社会正義 |
写真 | 商業写真 写真 フォトジャーナリズムとドキュメンタリー写真 |
【デザイン】
ブランディング・デザインイノベーション | デザインマネージメント アートディレクション ソーシャルイノベーションと持続可能な未来 グラフィックブランディング・アイデンティティ |
グラフィックデザイン・コミュニケーション | データ可視化 グラフィックメディア・デザイン ビジュアル・コミュニケーションデザイン |
インタラクションデザイン・映像通信 | イラストレーション・映像メディア インタラクションデザイン(I×D) サービスデザイン UXデザイン |
\ロンドン芸術大学に興味がわいたら/
《無料》国内外の専門留学会社から届きます!
ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションの難易度

London College of Communication: Show 2, 2015
日本とイギリスの大学制度の違いと偏差値
イギリスと日本の大学入試制度は少し異なります。日本では試験による偏差値方式ですが、イギリスでは書類選考がメインです。
また、義務教育制度が異なっていることから、日本の高校を卒業した学生は一部をのぞいて大学入試前に「大学準備コース(ファウンデーションコース)」を受講します。
ファウンデーションコースの成績も考慮されて、大学に正式な入学を認められます。
詳しくは「イギリスの大学の仕組みとは?何年で卒業できるの?日本とイギリスの大学教育制度を比較」も参考にしてください。
ランキング
LCCは単独で一般的な大学ランキングに参加していません。しかし、LCCと他5校で構成されるロンドン芸術大学は2022年QS世界大学ランキングでアート・デザイン部門の2位にランクインしています。
University of the Arts London : QS Rankings
合格率
LCCの合格率は公表されていませんが、ロンドン芸術大学全体の合格率は約25%です。
ロンドン芸術大学は世界屈指の芸術大学であるとともに、LCCはコミュニケーション関連の分野を学べる大学の中でも世界的に人気があります。競争率は高いと思って出願準備をするのがおすすめです。
ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションに留学するには?

ファウンデーションコース
日本とイギリスでは教育システムが違うことから、日本の高等学校を卒業してすぐにイギリスの大学に進学する場合は、まず大学準備コース(ファウンデーションコース)を受講するのが一般的です。
ファウンデーションコースの期間は約1年間です。ファウンデーションコースを受講し、優秀な成績で修了すると学部課程へ出願できます。学部課程3年間を経て、計4年で卒業が可能です。
「ファウンデーションコース(Foundation Course)とは、高校を卒業した学生が海外の大学に進学する際に必要となる準備コースのこと。大学に入学する前に受講する1年間のプログラムです。 特に、日本と異なる教育制度を持つイギリ[…]
ここでは、ロンドン芸術大学が推奨する大学準備コースをご紹介します。
▼ロンドン芸術大学が推奨しているファウンデーションコース
- キャンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツ開講ファウンデーションコース
- セントラル・セント・マーチンズ開講ファウンデーションコース
出願には成績証明書、志望動機書、ポートフォリオとIELTSスコア(総合5.0以上、各項目で4.5以上)が必要です。LCCの学部課程を目指す人は検討してみてください。
Foundation Diploma in Art and Design | UAL
大学(学部課程)へ直接入学する場合
専門学校や日本で大学1年〜2年までの課程を履修済の人はファウンデーションコースを経ずに直接出願する資格があります。
求められる英語力はコースによってIELTS6.0(各項目で5.5)〜IELTS6.5( 各項目で5.5)です。そのほかコースに関連する学歴や経歴の証明とポートフォリオ、自己紹介文、推薦状の内容によって選考が行われます。
Undergraduate courses | London College of Cummunication
大学院課程
大学院課程への進学には、イギリスの優等学位(※注)に値する優秀な学士号の資格や、関連性のある資格や経験が求められます。
※注:優等学位とはイギリスの大学卒業時に与えられる成績優秀者への学位です。4段階(1級、上2級、下2級、3級)があります。持っている学士号がどのレベルに相当するかは、直接大学にご確認されることをおすすめします。
求められる英語力はコースによってIELTS6.5(各項目で5.5)〜7.0(各項目で6.5)です。そのほかポートフォリオ、自己紹介文や推薦状が必要です。
Postgraduate Courses | London College of Communication
短期コース
LCCには100を超える短期コースがあり、期間は最短で1日のものもあります。
- 本留学の前に講義の雰囲気を味わいたい
- 気になる分野を色々試してみたい
- プラスアルファのスキルを身につけたい
このように考えている人はぜひトライしてみてください。以下に短期コースの一部をコース期間とともにご紹介します。
コース内容 | 期間 |
シネマグラフ | 1日 |
ビデオジャーナリズム | 3日 |
写真ポートフォリオ作成 | 1週間 |
グラフィックデザイン原理 | 2日 |
アドビ インデザイン | 2週間 |
コーディング | 1日 |
ソーシャルメディア集中コース | 2日 |
ストリート写真 | 3日 |
アートディレクションデザイン | 10週間 |
ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションで学び多様な社会を繋ごう
デジタル化が急速に進む中で、以前よりもさらにコミュニケーションがとりやすくなりました。いつでもどこでも世界中の誰かと繋がることができるなかで、コミュニケーションに創造性を掛け合わせる事の重要性が注目されています。
LCCが提供するコースはどれも創造性を高め自分を表現し伝える力を養えるものです。職務体験の機会も得られるため、学びを実践できるチャンスがあることも魅力的です。
加えてキャンパスがある南ロンドンは多様性に満ちた面白いエリアなので、クリエイターを目指す人にはぴったりな場所です。
ぜひLCCで学び、自分のアイディアを思いきり発信してみてくださいね。