「留学するなら資格くらい取らないと」
「留学って大学や大学院に行くものでしょ?」
「語学留学じゃ就職に役立たない」
こんな意見を耳にしたことがある人も多いのでは?語学留学は遊びの延長だ、とさえ思っている人も多いようです。
しかし実際には、語学留学は活用法次第でしっかり成果を出すことができます。高い語学力を身につけ、語学留学から就職に結びつけることもできます。語学留学に関する結果からは、一定の時期に脳の言語野と聴覚野に変化が起きることもわかっています。
語学留学で成果を出すためには、コースの選び方や過ごし方の活用法を知り、実践することが大切です。この記事では「語学留学では意味がない」という意見を覆す9つの上手な活用法をお伝えします!
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目的に合った語学学校を選ぼう
語学学校にはいろんな種類があります。あなたの目的に合う語学学校を選ぶことが、まず第一の関門です。
語学留学の成果を上げやすい語学学校にはどんな種類があるのか、さっそく見ていきましょう!
母国語使用禁止校
語学学校のなかには、その国の言語以外を使用した場合に罰則を設けている学校があります。罰則のなかには、1回目は警告・2回目は停学・3回目は退学、といったものも!もし退学になってしまったら学生ビザも効力を失ってしまうため、なかなか厳しいルールですよね。
ちなみに、ルール適用範囲は授業中だけではありません。休み時間も放課後も対象です。
校内はもちろんのこと、学校から500メートル~1キロ圏内などキャンパス周辺まで適用している学校もあります。放課後にカフェでお茶をしているときに母国語を話しているところを先生や学校スタッフに見つかり、警告を受けたという人も。
厳しいように思えますが、自分が外国語をしゃべりたいのに日本人留学生から日本語で話しかけられてしまったらどうしても日本語を使わざるを得ませんよね。そんな風に日本語で話しかけられるのを防止する効果もあるんです。
大学付属の語学学校
語学学校には、大学付属校と私立民間校があります。「大学付属校でも運営は民間」というケースもあるのですが、一般的に大学付属校では大学進学を目指す学生が多かったり、ダウンタウンを離れて勉強に集中したい学生が多い傾向があります。
大学進学準備コースを開講していたり、大学の図書館を使えたりします。大学の授業を聴講できる学校もあるので、一般の大学生に混じって授業を受けられます。
決して、私立民間校では語学力を上げられないと言っているわけではありません。私立民間校は都市部や交通の便が良い立地が多く、そこにもメリットがあります。たとえば「インターンシップ先企業との提携が多い」「放課後のアクティビティが豊富」などの利点は都市中心部ならではのアドバンテージです。
自分の目的と性格に合う運営形態と立地を選ぶことで、学びやすい環境が手に入るというわけです。
小規模のファミリータイプ校
人見知りしやすい性格の人は小規模な語学学校も検討してみるのがおすすめです。学生数が少なく、クラスが違う人でも顔と名前が一致するようなアットホームな学校であれば、おのずと会話量が増えるものです。
授業をいくら受けても、使わなければ語学力が伸びることはありません。放課後に「ちょっとお茶しようよ」と声をかけあえる環境があって初めて、実践的な力が身につくのです。
国籍制限校
留学生の出身国を25%~30%程度に制限している語学学校もあります。特定の国の留学生が固まると、その中には入っていきづらいものですよね。いろんな国の学生と交流したいな…と思う人は国籍上限を設けている学校も検討してみるといいでしょう。
ただし、国籍制限はあくまでも学校全体での割合です。クラス単位では上限はありません。あくまでも国籍割合は目安と考えて、どこからの留学生であっても分け隔てなく交流する意志は強く持ちたいところです。
個人レッスンとグループレッスンの組み合わせ校
個人レッスンで自分の弱点を克服し、グループレッスンでディスカッション力を磨く。そんな風に両方のいいところを組み合わせられるのが「個人+グループ」レッスン校のメリットです。
このタイプの語学学校は、フィリピンで多く開講されています。「個人レッスンは費用が高くて手がでない」という人でも、リーズナブルな費用で受講することができるのがフィリピン語学留学の魅力です。
フィリピンの語学留学でIELTSのスコアアップに成功した人の記事「英語試験のスコアアップにフィリピン語学学校への留学は効果的か?」も参考にしてみてください。
選択科目が豊富な学校
人間は、興味のあることだと熱中できるもの。「英語を学ぶ」授業だけでなく、英語で「何か」を学べる選択科目が豊富だと、やる気ががぜんアップしますよね。
アートや音楽といった芸術系のものから、ビジネス・起業といったキャリア系、発音・コミュニケーションといったノウハウ系、観光・歴史などの文化/カルチャー系までさまざまな選択科目があります。
多角的に学びたい人やいろんなことに興味がある人は、ぜひ選択科目が豊富な学校も視野にいれてみてください。
海外の語学学校で受講できるコースはほかにもたくさんあります。自分に合うコースをうまく組み合わせることで語学力は大きく飛躍します。「海外語学学校で受講できる13種類の主なコースや特徴、活用方法を知っておこう」のページもぜひ参考にして、いろんなコースを知ってみてください。
レベルに合ったクラス選びをしよう
語学学校では学校初日にレベル分けテストを受けるのが一般的です。学校によっては、渡航前にオンラインでテストを受けるところもあります。
レベル分けテストの結果で最初のクラスが決まるのですが、いざ入ってみたらちょっと難しすぎる…ということがあります。
特に日本人留学生にありがちなのが「文法やリーディングは大丈夫だけどスピーキングやディスカッションのクラスについていけない」という現象。ヨーロッパや南米、中近東の学生は発言をすること自体に慣れているため、語学力に関わらずどんどん口を開くのが得意なのです。
いつかついていけるかもしれない、それまでじっと耐える、というのもひとつの選択肢。でも、思い切って先生に相談し、クラスのレベルを落とすほうが得策となる場合も多いものです。
ひとつ下のクラスで、まずは発言をする自信をつけるのが近道。自信さえついてしまえば、文法力も単語力も元のクラスに入れる実力はあるのですから、また元に戻してもらえばいいのです。
授業以外の時間を充実させよう
放課後の時間をどう過ごすかで、せっかく学んだ語学を高められるかどうかが決まります。
予習と復習はマスト
なかなか日本では予習・復習はしたことがない…という人も、だまされたと思ってまず一日だけしっかりやってみてください。学校での授業が驚くほどわかりやすく、面白いと感じられるはずです。
ボランティア
多くの語学学校では掲示板などにボランティアの募集告知が出ています。もし興味があったら、ぜひチャレンジしてみてください。ボランティア活動は学校外の人と触れ合えるチャンスとなるからです。
語学学校の中では留学生に合わせてゆっくり話してくれていますが、ボランティア活動ではそうはいきません。
清掃ボランティアやフードボランティアであれば市民の人たちと、介護施設であれば高齢者の人たちと、保育施設であれば子どもたちと、日本語教師アシスタントであれば小中学生たちと、ネイティブのスピードで会話しなければなりません。社会の役に立ちながら自分も成長できる絶好のチャンス、逃す手はありません!
アクティビティ
語学学校では遠足やバーベキュー、スポーツ大会などのアクティビティ(課外活動)を企画しています。いくつかの語学学校と合同で行われることもあります。
自分のクラス以外の友だちやほかの語学学校の友だちを作るチャンスです。語学レベルもさまざまなので、自分よりうまい人にしっかり食らいついたり、逆に自分より話せない人には助け舟を出してあげるなど、応用力を磨くことができます。
ホームステイ先や学生寮
あなたは語学留学をしたら、どんなところに住もうと思っていますか?
ローカルの暮らしを体験したい人や個室が欲しい人ならホームステイ、ルームメイトが欲しい人やラウンジでいろんな留学生と交流したい人は寮を選ぶのがおすすめです。
ホームステイの場合、ファミリーとどのくらい交流できるかはそのファミリーの性格によって違います。ビジネスとして部屋を貸しているだけのファミリーもいれば、部屋を貸しつつ留学生を育てることに喜びを感じるファミリーもいます。
ただし、どんなファミリーであろうと、留学生が心を開かなければ良い人間関係を築くことはできないものです。留学を経験した人たちが書いてくれたレポートもぜひ参考にして、ホームステイを上手にコミュニケーション力向上に活かしてください。
▼参考記事
- 英語を学ぶ語学留学の滞在方法「ホームステイ」とは?
- 留学中のホームステイ。食事中に使える英会話フレーズ10選
- ホームステイで失敗せずホストファミリーと良い関係を築く基本中の基本とは?
- ホームステイで気をつけること。ホームステイ前に心得ておくべきポイントとは?
一方、寮の場合は1人部屋がもらえるケースはほとんどありません。2人~4人部屋が一般的です。
ルームメイトにもよりますが、半強制的に会話せざるを得ない環境となります。プライバシーは多少ガマンしてもいいから、日々会話が絶えない生活を送りたいと思っている人は寮を検討してみるのもいいでしょう。
滞在方法(寮・ホームステイ・ルームシェア)のメリットとデメリットを比較した留学生レポートもあります。こちらもぜひ参考にしてみてください。
2か月目からの過ごし方を工夫しよう
もし半年程度の語学留学を計画しているのなら、興味深い研究結果があります。
東京大学大学院総合文化研究科と私立教育機関イー・エフ・エデュケーション・ファーストとの共同研究では、授業開始から2-3ヵ月後時点と、61日後時点でMRIで脳活動を計測しました。すると脳の言語野に加えて、聴覚野で活動が増加したのです。(参考:短期の語学留学で脳に変化が。語学留学の脳科学的効用を東京大学が発見。)
元のレベルや個人差はあるかもしれませんが、語学留学を開始して2-3か月目に入ったらさらに学ぶ方法を加速していくことも試していきたいですよね。生活にも慣れ、留学生活への不安がなくなってきた人は新しいコースもとっていきましょう。次の項でいくつかの例をご紹介していきます!
試験対策コースをとろう
ある程度語学力が上がってきたら、ぜひ試験対策クラスをとってみてください。英語ならIELTS、TOEFL、ケンブリッジ英検など、フランス語ならDELF、ドイツ語ならTestDaF、スペイン語ならDELE…というように、多くの語学学校では語学テストの受験準備コースを設けています。
試験対策コースのメリットは、履歴書に書けるスコアが手に入ること。さらに、一番のメリットはなんといってもクラスメイトの意識が高いことです。
たとえば、日本の企業採用現場ではあまり知名度が高くない「ケンブリッジ英検」ですが、ヨーロッパ各国では就職を有利にする大きな武器になっています。そのため、学生たちの試験へのモチベーションが高く、真剣なのです。
他の試験対策コースでも、熱の入り方が一般授業と違うと感じられるはずです。自分のスコアがアップするだけでなく、意識を高め合える友達もできて一石二鳥ですよ!
ビジネス英語コースを活用しよう
Photo by Austin Distel on Unsplash
大学生以上の人ならば、ビジネス英語コースにチャレンジするのもおすすめです。仕事ですぐに使える実践力を鍛えることができるからです。
プレゼンテーションやネゴシエーション(交渉)、ビジネスマナー、レターライティングといったスキルを学びます。おのずと、圧倒的に話す量と書く量が多くなります。
留学終了後に外資系企業を受ける人やグローバル企業を受ける人は英語面接があるかもしれませんし、英文で履歴書を提出する可能性もあります。そんなときに自信を持って挑みたい人はビジネス英語コースでスキルを磨いておくのがおすすめです。
インターンシップを利用しよう
語学学校のなかには、インターンシップを提供している学校もたくさんあります。学校を飛び出して現地の職場に混じるというのはとてもチャレンジングなことですが、自信をつけ、語学力を大きく伸ばせる絶好のチャンスです。
インターンシップでは、誰かが教えてくれるのを待っているわけにはいきません。自分から質問をしたり提案をしたり、見てもらえるように行動することが求められます。圧倒的に「話す・聞く」量が多くなります。
日本人留学生の場合、無難に仕事をこなせる人が多いようです。しかし、優等生ほど「何を考えてるかわからない」「やる気があるのかわからない」と評価されてしまうこともあります。職場では、クリエイティブな発想やそれをアピールする力も大事な要素なのです。
勉強や仕事ができるタイプの人ほど、インターンシップ中は泣いたり悔しい想いをしたりするようです。「厳しくてもいいから自分を鍛えたい!」そんな気持ちの人はぜひ挑戦してみてください!
失敗を活かす力を身につけよう
ここまで読んできたあなたなら、きっと気づいているはず。語学留学を本気でやれば、たくさん失敗をし、落ち込んだりため息をついたりするのです。
「語学留学なんて意味がない」と言っている人は、精神的な成長のことを忘れているようですが、もっとも大きなメリットは失敗から立ち上がる術を手に入れられることにあります。
短期間の留学であっても、本気で語学留学に挑んだ人であれば一度や二度は必ず壁にぶつかります。日本にいればそこから逃げ出すこともできますが、海外にいたら逃げ出すことはできません。
勇気を出して誰かに相談することも成長につながります。相談したり誰かに頼る行為そのものが、真剣なコミュニケーションとなります。誰に相談すべきなのか、人を観る目も養われます。
人間力が高まることは、目先の就職や点数ばかりでなく、人生そのものを豊かにしてくれます。留学経験は帰国後すぐに出るだけでなく、その後の長い人生にも影響してくるものです。
多様な国と文化があることを知ろう
語学学校には、世界各国から留学生が集まってきています。大学や高校にも留学生はいますが、やはり自国出身の学生が大多数。そういう意味では、語学学校ほど多様な文化が集まる教育機関はほかにはありません。
日本にいてもメディアやウェブを通じて世界のニュースを耳にすることはあります。しかしそれはあくまでも情報として見聞きするだけ。本当の文化や社会について教えてくれるのはその国人たちです。
経済的な格差もあれば、教育制度も違います。家族に対する考え方、宗教の捉え方、食文化など、地球上にはネットやテレビだけでは知りえないことが山ほどあります。
逆に、日本のことを「こんな質問してくるの?」というくらい深堀りされる経験も初めてするかもしれません。
この経験がこれからのあなたのキャリアに及ぼす影響は、きっと少なくないはずです。
語学留学を意味あるものにする
語学留学は、活用法次第で大きく変化できるものだということをお伝えしてきました。ほかにも、語学留学の成果をあげるヒントが詰まったいろんな記事がありますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
語学留学しようとして、周囲から反対された人もいるかもしれません。そのなかには「語学留学なんて意味がないよ」という人もいるかもしれません。
そんなときはぜひ、留学することを決意し一歩を踏み出した時点で、一歩を踏み出さなかった人と大きな差がついていることを覚えていてください。
思う存分あなたの好きな語学を学んで、人生を豊かにしてくださいね!
(留学プレス編集部)